ひらの矯正歯科|横浜市瀬谷区の矯正歯科 ブログ

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真剣に歯と健康を考える

歯を大切にしようということは、ほとんどすべての方が聞いたことがある話ではないでしょうか?

けれども、歯を大切にしないと将来入れ歯になってうまく食べられないという程度の認識の方も多いかもしれません。

今日は、歯を大切にするべき本当の理由を少し明確にしていきたいと思います。少し怖いお話になってしまうかもしれませんが、とても大切なことなのでご紹介いたします。

 

ここでも少し書いたことがありますが、歯のケアを怠ることで、虫歯になるだけでなく、歯周病にも大きく影響してきます。

そして、その歯周病は身体全体への悪影響につながることもどんどん分かってきています。

 

 

■認知症

 

実はごくごく最近、2020年10月5日に九州大学などの研究チームにより、

歯周病菌が体内に侵入することで、認知症の原因物質が脳に蓄積し、記憶障害が起きてしまうことが解明されました。

 

この実験では、マウスに歯周病の原因菌を3週間連続で投与し、

アルツハイマー型認知症を引き起こすたんぱく質であるアミロイドβが10倍に増加したというものです。

 

このアミロイドβは、ヒトにおいては脳の中で2~25年かけて溜まっていき、

認知症を進行させてしまう原因なので、まだアルツハイマーは根本的な治療法が確立されていませんが、この研究結果を逆に考えると、歯周病を防ぐことで認知症の発症リスクを下げたり、進行を遅らせることが出来ることを意味しているのではないでしょうか。

 

 

■そもそも歯周病って?

 

虫歯は歯自体を溶かすものですが、歯周病は歯茎を含めてダメージを与えてしまう病気です。

歯と歯茎の間の磨き残しがプラークとなり、そこに細菌が繁殖することで歯と歯茎の間の歯周ポケットを大きくし、歯の土台を溶かしてしまうことで、歯が抜けてしまうことにもつながります。実は45歳以降の歯を失う最大の原因は歯周病であることも注目しておきたい点です。

 

 

■歯周病が原因で全身のリスクに

 

今回の九州大学の研究結果発表以外でも、多くの健康に対する影響が報告されています。

 

歯周ポケットから細菌が血流に流れることでインスリンの働きを阻害し、糖尿病につながってしまったり、その糖尿病が悪化することで狭心症や心筋梗塞、そして細菌を含んだ唾液が気管に入ることによる誤嚥性肺炎なども報告されています。

 

 

今回は少し怖いお話となってしまいましたが、実は歯周病が全身への影響を与えることは20年以上前から指摘されてきていることです。

日本は世界的にも口腔ケアに関して意識が低いことが知られていて、しっかりとした情報が伝わっていないということが懸念されています。

 

矯正治療は歯並びを改善することで、日々の歯磨きをしやすくし、虫歯や歯周病リスクを下げることにつながりますが、矯正治療以前に、よりご自身の将来のリスクを考えて、毎日丁寧なブラッシングと、定期的なプロの口腔内ケアを続けていって頂ければと思います。

消毒、殺菌、滅菌の違いについて

通常の歯科医院でもそうですが、矯正歯科医院では様々な器具を使用します。

口の中を診るための鏡や、ワイヤーや結紮線(ブラケットとワイヤーを固定させるための細いワイヤー)などを曲げるためのプライヤーと呼ばれるものなど様々あり、

患者さんのお口の中で使用するものもあります。

 

そこで今日はまず、感染の原因となる細菌に対して、①消毒、②殺菌、③滅菌の違いからご紹介したいと思います。

どれも聞き慣れている言葉かと思いますが、実は意味には違いがあります。

 

  • 消毒とは

 

まず、消毒についてですが、簡単に言うと細菌の力を弱めて害がない程度に抑えることを言います。これは身近にもあると思います。手を洗った後のアルコール「消毒」もそれですね。

 

  • 殺菌とは

 

滅菌とは特定の細菌やウィルスを死滅させることを指します。

ここでポイントとなるのは、「特定の」という限定的なものだということです。

 

  • 滅菌とは

 

滅菌とは全ての細菌を死滅させることを指します。

あらゆる微生物を対象としています。

 

 

このように、細菌対策においては、その除去レベルによって段階があることがお分かりいただけるかと思います。

 

 

■院内感染対策として

 

ひらの矯正歯科では院内感染予防として、

コップやエプロンなどはディスポーサブルのものを使用し、

更に口腔内に入れるピンセットやミラー等さまざまなものに関しては、

「滅菌」処理を行い、滅菌パックに入れて保存します。

 

た、細菌を全て殺す滅菌と言っても、治療器具によって形状が様々です。

そのため、高圧蒸気滅菌器、ガス滅菌器、薬液滅菌器も準備し、

どれだけ細かい器具の隙間にいる細菌でも滅菌し、

安全に使えるように対策をとっています。

また、お口の中の唾液等を吸うバキュームという機器にも

細菌やウィルスも除去ができる専用のへパフィルターを使用しているので

一度吸ったもの(細菌やウィルス等)もフィルターでカットしていますので

院内はもちろん清潔なですがクリニックの外にも細菌やウィルスを出さない様に

配慮して診療しています。

まだまだ日本はヨーロッパなどと比べると感染対策のレベルが低いのが現状です。

そのため常に院内感染予防にこだわり続けていくことが重要です。

感染予防対策をしっかりすることにより患者さんに安心して治療を受けられる環境を提供できると考えています。

信頼できる矯正歯科医と出会うには

今日は、矯正治療を受けるにあたり、信頼できる矯正歯科医をどうやってみつけるのかというテーマで少し書いてみます。

簡単にお答えできる内容ではないかもしれませんが、

少しでも役立つ視点がお伝えできればと思います。

 

 

日本矯正歯科学会のホームページでは、

「よい矯正歯科を見つける方法」について以下のように書かれています。

 

矯正歯科治療は非常に専門性の高い医療で、一般に歯科の大学を卒業した後に、

さらに十分な修練を積んだ先生が治療にあたります。

治療は顎や歯を動かす前に、これらの精密な検査を行いますが、

これらの検査機器が整っていることも条件であり、

さらにスタッフ教育など院内体制も充実していなければなりません。

従って、料金が安いことや単に近所ということで、

安易に矯正歯科医院や病院を選ばないよう注意が必要です。

 

 

まず大切なポイントとして書かれているのが、矯正の経験を積んでいること、

検査機器が整っていること、そしてスタッフ教育がなされていることが挙げられています。間違いなくこのことは大切なポイントだと思います。

患者さん個々に状態が違うので、それなりの経験を積んでいる矯正医の方が、

いざという時の対応力などに違いがあります。

またCT設備などは診断時の正確性に影響することもうなずけます。

 

ただ気を付けたいのが、患者さんごとに、期待していることが違い、

場合によってはそれがリスクになる可能性もあることです。

 

噛み合わせを含む歯並びが完璧に綺麗になる技術を持った矯正医を探しているのか、

非抜歯で治療してくれる先生を探しているのか、治療期間が短い医院を探しているのか、

料金が安いことを重要視したいのか。

しかしその重要視している点の中には、医療という視点で本当に永い目でみて安定した歯並びにはつながらないリスクもあり、そのことを矯正歯科学会としても危惧しています。

 

ここでも書いたことがあると思いますが、

非抜歯治療では患者さんの状態によっては噛み合わせをおかしくしてしまうこともありますし、「1日で治る歯並び」といって歯の見えている部分を切って被せものを付けるだけのものもあります。

それでは永く正しい噛み合わせを維持することはなかなか難しいでしょう。

 

 

そこで、しっかりと話を聞いてくれて、デメリットもしっかりと教えてくれる先生というのが、信頼置ける矯正歯科医を見つける大切なポイントになります。

学会の言うように経験や設備も当然大切ですが、患者さんごとの不正咬合の状態も違い、

その原因も違い、そして治療に対する要望も違うわけですから、

しっかりとコミュニケーションが取れるかどうかということを重視して選ぶと、

患者さんの求める「信頼置ける治療」を受けられるようになるのではないかと思います。

 

そのためには、少し時間がかかってしまいますが、

いくつかの矯正歯科医院に相談に行くことも大切かもしれません。

 

少し抽象的な書き方になってしまいますが、信頼置ける矯正の先生に出会えて、

安心して治療を受け、綺麗な歯並びを手に入れることにつながればと思います。

お口の中を健康に|オーラルフレイルとは

皆さんは食事の際にどれだけ健康のことを考えて食べてますでしょうか?

多くの方が、早食いは良くない、食べ過ぎは良くない、ということをご存知かと思いますが、健康に食事するためのポイントや、しっかりと噛まないことのリスクについてあまり知らないかもしれません。

 

今日は、しっかりと食事をとる際のポイントと、そこから考える健康について話していきたいと思います。

 

 

■しっかりとした食事を摂る際のポイント

 

  • よく噛むこと

これは解説するまでもないことですが、「早食い」や「ながら食い」はしないようにしましょう。

よく噛むことは脳への刺激になり、満腹中枢が刺激され、ヒスタミンなどが分泌されます。これにより食べ過ぎを防止することにつながります。

出来れば一口あたり30回は噛むようにしたいものです。

 

  • 夜食の注意

寝る前2時間以内に食べ物を食べることは注意しましょう。

夜はエネルギー代謝が落ちますので、内臓脂肪がつきやすくなってしまいます。

いわゆるメタボにつながってしまいます。

 

  • 野菜を先に食べる

炭水化物と違い、野菜などの食物繊維を先に食べることは、コレステロールの吸収を抑えることに繋がり、血糖値がすぐに上昇してしまうのを防いでくれます。

 

 

他にもポイントはありますが、こういった食べるときの習慣を身に着けていきたいのですが、なかなか現代人はよく噛む時間を確保できなかったりしてしまいます。

また超高齢化社会においては、8020運動達成できず、歯が抜けてしまうことでしっかりと噛めないということも起きてきてしまいます。

 

このことをオーラルフレイルと言います。オーラルフレイルとは、口腔機能が低下し、食べることに関して障がいが生じてしまうことを指す言葉で、最終的に心身の機能が低下してしまうリスクもはらんでいます。

例えば、歯が無くなってしまった状態の栄養吸収低下、基礎代謝の低下もそれにあたります。

 

逆にこのオーラルフレイルの概念から、食べる機能を維持し、口の中の健康を保つことは、実は認知症予防だけでなく、転倒リスクを減らすことにもつながることが分かってきています。上に書いた歯が抜けてしまった箇所に入れ歯やインプラントを入れる処置をするだけで、数値が向上することも分かり、最終的に生存率が高いというデータまで出ています。

 

 

人は日々の習慣の中で生活しています。

頭では口の中の健康も大切、食事をしっかりとゆっくりとバランスよく摂ることの大切さも知っています。

しかし、日々の忙しさから、それを忘れてしまうものです。

 

今日は矯正治療と少し違う観点から、少しでも口の中の健康と、毎日の食生活に意識を向けて頂けたらと思い書きました。

そもそも歯が抜けてしまってインプラントなどの治療を必要としないように、

日々のブラッシングなどもしっかりとしていきたいものですね。

矯正治療の検査で重要なセファロ(セファログラム)について

歯並びの状態は人それぞれ違い、不正咬合の種類も様々あります。

また、その原因も患者さんによって違い、矯正治療のアプローチも変わってきます。

そこで矯正治療における最も重要なステップの一つに、

治療開始前の検査と診断があります。

一人ひとり状況が違う状態を正確に把握することで初めて、

患者さん一人一人に合った診断と治療計画を立てられるからです。

 

その検査の中でも特に矯正治療で重要なのが、セファロ(セファログラム)と呼ばれる検査機器です。

これは、頭部のX線写真を撮るためのもので、頭部X線規格写真とも呼びます。

今日はそのセファロについてご紹介したいと思います。

 

 

■セファロ(頭部X線規格写真)とは

 

文字通り頭部を撮影するためのレントゲンですが、

顔面、頭部のレントゲン写真を正面と側面から撮ります。

矯正治療開始前の段階では、肉眼で確認することが出来ない歯根の状態、

歯槽骨、顎の骨の状態や埋伏歯の有無なども把握することが出来るため、

正確な診断に不可欠な情報となります。

 

■セファロは同じ規格で治療経過も確認できる

 

このセファロは、治療前だけでなく、矯正治療の途中の状態確認、

治療終了後の状態確認にも重要な役割を担っています。

同じ規格(同じ位置、被写体との距離)で撮影することで、歯の動きや傾きの変化、骨の動きなどを把握できるようになります。

 

■プロフィログラム

 

プロフィログラムとは、このセファロで撮影した写真を基に、

前歯の切端(先端のこと)や顎の先端、

大臼歯の位置など主要な計測点を結んだ図を指します。

上に書いた通り、時間が経過してから撮影したものからプロフィログラムを同じように作成し、重ねることでより正確に経過が分かってきます。

 

 

他にも通常の顔面写真等、矯正治療においては検査をいくつか行いますが、

一つ一つが重要なものです。

それは始めに書いた通り、一人一人の患者さんの状況が違うからです。

また、肉眼で見えない部分が矯正治療においてはとても大きな要素となるため、

こういった専門の検査がとても大切になってくるのです。