ひらの矯正歯科|横浜市の矯正歯科 ブログ

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日本矯正歯科学会学術大会について

今回は、多くの矯正歯科医が所属している、日本矯正歯科学会の学術大会について紹介していきたいと思います。

 

日本矯正歯科学会は、1926年に設立された歯科矯正学を専門とする学術団体のことです。

現在約7,000名の歯科医師がこの学会に所属し、技術や知識の向上に努めています。

 

今回ご紹介する学術大会というのは、年に1度、矯正歯科講座を持っている大学が主幹となり、大規模なセミナーなどを行う大会のことです。

日本全国から所属の歯科医師が集まり、知識の向上のために勉強をしています。

 

では、大会の内容についてもう少し詳しく説明していきます。

 

 

・歯科医師向けの各種セミナー、講演会

 

日本の著名な矯正歯科医や海外から学会が招待したゲストドクター、各大会のテーマに沿ったプロフェッショナルの方などによる講演が期間中開催されています。

参加のドクターは、自身の勉強したいプログラムを確認し、講演会場に足を運ぶという流れになっています。

映画を見るようなイメージをしていただくと分かりやすいかもしれません。

 

・スタッフ向けのセミナー

 

大会中は、歯科医師以外にもスタッフ向けのセミナーなども講演されています。

知識の向上はもちろんのこと、患者さん対応のコツや院内連携など、各大会の講演者によって様々なテーマが設定されていたりします。

 

・商社展示

 

矯正歯科に関する商社が、大きな展示会場で各社ブースを作り、商品の展示会を行っています。患者さんにとって気になる痛みの軽減につながるブラケットやマウスピース型矯正装置などいろいろな矯正材料が展示されています。

こういった新製品や一押し商品等、様々な商品を実際目にしながら説明していただけるので、診療の際のヒントになったりします。

日本ではそこまでしていませんが、アメリカの学会などでは車やアクセサリーの商社がブースを作っているなど見かけたこともあります。

 

・市民公開講座

 

日本矯正歯科学会では、歯科医師やスタッフ以外の一般の方向けにセミナーを行っております。

難しい専門用語などは避けながら、矯正歯科に対する知識を身に着けていただくことを目的としています。申込制の会もありますので、参加希望の場合は事前にご確認ください。

 

 

この様に、様々なセミナーや商社展示などの大きなイベントを毎年2~3日間行っています。本年度は2021/11/3-11/5までの3日間、横浜にて開催予定なのですが、

コロナウイルスの影響を受けて、会場とオンラインを併用するハイブリッド開催となっております。

例年は大勢の歯科医師が集まり、日々の診療に対する意見交換なども行っているのでその点で少しハイブリッド開催は残念ではありますが、

スタッフや患者さんへの感染拡大を防ぐという意味から仕方ないことなのかなとは理解しています。

来年度は通常通り活気ある大会になることを祈りながら、それまで私たちも感染対策を行いながら日々の診療を頑張っていこうと思います。

もし学会などで質問してみたいことなどあればいつでもお気軽にお問い合わせください。

顎変形症の治療について

変形症という言葉をご存知でしょうか?漢字の通りではありますが、

あごに歪みがある症状のことです。

ただ、一言で顎変形症といっても、その症状は様々あります。

上顎、あるいは下顎が上下方向、左右方向、前後方向に変形してしまっている状態で、

様々な障害が生じてしまいます。

 

ものがしっかりと噛めないというだけでなく、発音の問題、そして顎の関節に痛みが生じてくるといった問題もあります。もちろん見た目的にも問題があります。

 

では具体的にどういったタイプがあるかを見てみましょう。

 

・出っ歯(上顎前突)

上顎の前歯が単に外側に倒れているものではなく、上あごが前方向に出ている状態です。出っ歯にも種類があるため、奥歯を含めた噛み合わせの位置を確認することで分かってきます。

 

・受け口(下顎前突)

上顎前突とは逆で、下あごが前方向にずれている状態です。見た目にも大きく影響します。

 

・オープンバイト(開口)、ディープバイト(過蓋咬合)

上下の歯が当たらないオープンバイトと、逆に深く噛みこみ過ぎてしまうディープバイトという症状もあります。

オープンバイトは食べ物を噛み切ることが難しく、また口の中が乾燥しやすいことによる虫歯リスクがあります。

 

・横方向のずれ

上記のようによく聞く症状だけでなく、水平方向にずれているという場合もあります。

目と目の中心から鼻の先端を通り口から顎の先端の中心まで定規を充てるとすぐに分かります。左右方向にずれている場合は、食べ物を噛む際にどちらかの噛みやすい方で噛む癖があったりします。

 

 

こういった顎変形症の問題は、実は放っておくことで悪化するリスクがあるということです。横方向のずれのところにも書きましたが、大体変な噛み癖が付きます。

また歯と歯が噛み合う際の力が分散しないことで、一か所に集中し、その不正咬合の状態が更に悪い方向へとつながってしまいます。

 

 

顎変形症の治療においては、年齢や症状によってアプローチが変わってくるため、正確に検査と診断することが大切です。

状況により外科手術が必要なのか判断が必要となります。

 

お子さんの顎変形症の場合は、多くの弊害につながってしまうだけでなく、コンプレックスにつながってしまうこともありますので、しっかりと原因を特定し、治療負担を極力減らす方向で一緒に考えて改善していければと思っています。

 

 

歯科医院の表彰状について

今回は、どの歯科医院でもよく見かけるのではないかと思われる表彰状について少しお話していきたいと思います。

 

待合室やカウンセリングルームなどで、額縁に入っている表彰状を見たことがあるという人は多いのではないかと思います。

ただ、それがどういったものなのかという事まで知っている人は少ないのではないでしょうか。

 

 

歯科医院で掲げている表彰状は大きく2つに分けられます。

 

1つ目は歯科医師免許や各専門学会(矯正歯科医であれば日本矯正歯科学会など)の認定証です。

歯科医師免許などは特に掲示の義務があるわけではないのですが、患者さんに対して私は○○大学できちんと歯科医師免許を取得し、専門学会に参加して日々新しい専門知識や技術を習得するよう努力していますという安心材料の一つとして見ていただけたらと掲示しているものです。

 

もう1つが、セミナーや勉強会に参加した時に貰える参加の証明書です。

これは材料メーカーが主催となって行っているセミナーや、著名な先生が講演を行っている勉強会など多種多様なものがあります。正直なところ、専門以外の分野の勉強会などに関しては歯科医師もよく知らないものなどもたくさんあります。

セミナーも数時間受講するだけのものから数日~数か月がかりで定期的に勉強会を開催するものなどいろいろありますので、1枚の表彰状の価値は等しいとは言いにくいかもしれませんが、同じ様なジャンルのセミナーや勉強会の表彰状がたくさんあるという事はそれだけアンテナを張って勉強をしているという事に繋がるのではないかと思います。

 

 

いろいろと書いてきましたが、○○大学出身だから治療が上手いとか、この学会に参加しているから安心という事はありませんし、このセミナーや勉強会に参加していないからダメなどという事はもちろんありません。

私たちも、日々矯正治療に関わるセミナーや勉強会は可能な限り参加していますし、専門学会で治療の知識なども習得できるよう努力しています。

貰った表彰状を全て飾っていると院内が表彰状だらけになってしまいますので、いくつかに限定して飾っていますが、何か気になるものなどあったらいつでも質問してみてください。また、特に矯正治療においては歯科医師・スタッフと患者さんのフィーリングなども大事だと思いますので、実際に皆さんの目で見て判断していただくことをお勧めしています。

矯正治療の費用のお話

今回は、矯正治療に掛かる費用についてお話していきたいと思います。

 

皆さんの中で、矯正治療と聞くとどんなことを思い浮かべますでしょうか?

矯正装置のことをパッと思い浮かべる人もいるでしょうし、

審美的に綺麗な歯並びを思い浮かべる人もいるかと思います。

そんな中でも、矯正治療=高額な費用と考える人も少なくはないかと思います。

今回は矯正治療費に関して、将来の投資という視点で少し考えてみたいと思います。

 

そもそも、この矯正治療の金額はいったい何を基に決まっているのでしょうか?

 

まず矯正治療は基本的には自費での治療になります。

矯正治療に使用するための矯正装置代、それに伴う技工物を作成する費用、

年単位で必要となる治療のための治療費など全て含めた金額を設定しています。

また、治療を開始する前の治療計画を練る時間や準備などは、

基本的に治療時間外に行われていたりします。

 

こちらのコラムを読んでいただいている方の中で車を持っている方もたくさんいるかと思いますし、お子さんに習い事をたくさん習わせているという親御さんもたくさんいるのではないかと思います。

この様な費用は生活のために必須、あるいは習い事もお子さんの将来のためだと思います。

 

矯正治療を始める人にとっても、矯正治療が生活のために必要か、

将来のために必要なのかという視点が治療を受けるべきか検討する上での物差しになります。

 

 

8020運動でもいわれているように、綺麗な歯並びはご自身の健康な歯を永く多く残すことにつながります。

 

叢生(デコボコ、乱ぐい歯)がある状態だとブラッシングをしにくい箇所が出来てしまい、う蝕(虫歯)が出来やすくなります。

また歯周病のリスクなども高くなるので、ご自身の歯が抜けてしまったり、

抜歯を余儀なくされることもあります。

入れ歯やインプラントを入れるとしてもそこで数万円から数十万円の費用負担が発生します。

 

また、就職や結婚のタイミング、あるいはスポーツに力を入れるなら咬み合わせが良いことで力を発揮しやすくなったりなど、様々な場面で噛み合わせや歯並びが重要な要素となるでしょう。投資という言い方をしてしまうと少し違うかもしれませんが、塾や習い事と同じような観点から検討してあげるのも有用なのではないかと思います。

 

 

また、自費でのお話ばかりしてきましたが、矯正治療の中には保険適応できるケースもあります。

 

・「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療

・前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療

・顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療

 

この様に限られた症例にはなりますが、もしお悩みの方が居られたらいつでもご相談ください。外科治療などが必要になる場合は、連携している病院などとも連絡を取り合って治療を行っていくようにします。

 

いずれにしても、費用や治療方法などしっかりと理解していただくまで説明はしますので、それから治療を行うかどうか検討していただいてもかまいません。気になることがある場合はいつでもご相談ください。

矯正治療とホワイトニング

今回は、矯正治療中のホワイトニングについてお話していきたいと思います。

 

患者さんからたまに「矯正治療中にホワイトニングまで一緒にやってしまいたいのですが出来ますか?」という質問を頂くことがあります。

結論から言いますと、これはあまりお勧め出来ません。

それは何故かという事を説明していきたいと思います。

 

 

まず歯の見た目の色はどの様に決まっているのでしょうか?

これは患者さんの本来の歯の色と、そこに当たる光の量で決まっています。

真っ白いシャツを着た人を晴天の日に見るのと、

曇りの日に見るのでは印象が違うのではないでしょうか?

これと同様に、元々歯が白い人でも叢生などで陰になるところが多ければくすんで見えることもあるので、一概にホワイトニングで満足いく見た目になるかどうかは少し疑問があります。

 

また、治療中には矯正装置(ブラケット)がついていますので、

その状態だと矯正装置の下にホワイトニングの薬液が届かず、

装置を取り外した時に色の差が出てしまう可能性があります。

歯全体の色よりも、色むらがあったり斑になっている方が印象としては悪く感じてしまう可能性が高いので、装置を外してからホワイトニングを行うことをお勧めしています。

 

ここで少し勘の良い人は、最近マウスピースを用いた矯正治療が出てきているため、

それならば出来るのではないかという質問を投げかけてくることもあります。

ただあまり一般的に知られていないのかもしれませんが、

マウスピース型矯正装置で治療を行う際に、症例によっては歯を動かす力をコントロールするために歯にレジンセメントを設置する必要があります。

歯の色と近い色のレジンを使用しますので、目立ちにくくはなっているのですが、

矯正装置と同様に歯に接着しているものなのでホワイトニングの薬液が歯面まで届かないところが出てきます。そうすると、結局こちらでも色むらが出来てしまうことになりますので、お勧めすることは出来ないかなと思います。

 

 

この様に、矯正治療とホワイトニングを一緒にやってしまったらよりきれいに仕上がるのではないかという気持ちはわかるのですが、実際は難しいというのがわかっていただけたのではないかと思います。まずは矯正治療に専念していただき、それからまだホワイトニングをやりたい気持ちがあれば行っていただくのがいいのではないでしょうか。

また、矯正治療で審美的な意識が高まって、検討していなかったけどホワイトニングまで希望するというお話もよく聞きますので、その方の満足のいく治療結果が得られるまでしっかりとサポートしていきたいと思います。