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矯正治療とホワイトニング

今回は、矯正治療中のホワイトニングについてお話していきたいと思います。

 

患者さんからたまに「矯正治療中にホワイトニングまで一緒にやってしまいたいのですが出来ますか?」という質問を頂くことがあります。

結論から言いますと、これはあまりお勧め出来ません。

それは何故かという事を説明していきたいと思います。

 

 

まず歯の見た目の色はどの様に決まっているのでしょうか?

これは患者さんの本来の歯の色と、そこに当たる光の量で決まっています。

真っ白いシャツを着た人を晴天の日に見るのと、

曇りの日に見るのでは印象が違うのではないでしょうか?

これと同様に、元々歯が白い人でも叢生などで陰になるところが多ければくすんで見えることもあるので、一概にホワイトニングで満足いく見た目になるかどうかは少し疑問があります。

 

また、治療中には矯正装置(ブラケット)がついていますので、

その状態だと矯正装置の下にホワイトニングの薬液が届かず、

装置を取り外した時に色の差が出てしまう可能性があります。

歯全体の色よりも、色むらがあったり斑になっている方が印象としては悪く感じてしまう可能性が高いので、装置を外してからホワイトニングを行うことをお勧めしています。

 

ここで少し勘の良い人は、最近マウスピースを用いた矯正治療が出てきているため、

それならば出来るのではないかという質問を投げかけてくることもあります。

ただあまり一般的に知られていないのかもしれませんが、

マウスピース型矯正装置で治療を行う際に、症例によっては歯を動かす力をコントロールするために歯にレジンセメントを設置する必要があります。

歯の色と近い色のレジンを使用しますので、目立ちにくくはなっているのですが、

矯正装置と同様に歯に接着しているものなのでホワイトニングの薬液が歯面まで届かないところが出てきます。そうすると、結局こちらでも色むらが出来てしまうことになりますので、お勧めすることは出来ないかなと思います。

 

 

この様に、矯正治療とホワイトニングを一緒にやってしまったらよりきれいに仕上がるのではないかという気持ちはわかるのですが、実際は難しいというのがわかっていただけたのではないかと思います。まずは矯正治療に専念していただき、それからまだホワイトニングをやりたい気持ちがあれば行っていただくのがいいのではないでしょうか。

また、矯正治療で審美的な意識が高まって、検討していなかったけどホワイトニングまで希望するというお話もよく聞きますので、その方の満足のいく治療結果が得られるまでしっかりとサポートしていきたいと思います。

前歯で物を噛めないとき

今回は、年齢を問わず問い合わせがある前歯で物を噛みきれないという相談内容について少しお話していきたいと思います。

 

サンドイッチやハンバーガーが例としては分かりやすいのではないかと思いますが、食べようとして口に入れて噛んだ時に、中の野菜が噛みきれずにパンの方に残っている、もしくはそのままズルっと引っ張り出されてしまうということはありませんでしょうか?

たまたま噛みきれずにそうなってしまうこともありますが、ほぼ毎回そうなってしまうという人に関しては今回のお話が当てはまるのではないかと思います。

ではこの前歯で物が噛めないという現象は、何が原因になっているのでしょうか?

 

  • 開咬

 

上下の前歯が離れていて、接触していない状態を指しています。正常な歯列の人は、奥歯でキャンディーを噛んだ状態だと、前歯が接触しなくなるというのがお判りいただけるのではないかと思いますが、極端に言うとこの様な状態のことを言います。

そもそも前歯が接触していないため、食べ物を噛みきることが出来ないという症状です。

 

2、上顎前突

 

上顎前突(出っ歯)は、パッと見た感じだと上下の歯が噛んでいるように見えるのですが、歯が前後的にズレているため、実際には噛んだ時に歯が接触しない状態になっています。

ただ軽度な上顎前突の場合、少し下顎を前に出すように動かすと噛みきれるようになるため、本人は無意識で気付いていないこともあります。

 

 

この様な原因が考えられるのですが、この前歯で物を噛めないということは食事が食べにくいという問題以上に歯に悪影響を及ぼすことがあります。

 

歯は上下でそれぞれ14本ずつ(親知らずがあると16本)生えており、しっかりと上下の対合する歯で噛み合わさていることによって、噛む力を分散しています。

噛むときの力は諸説ありますが、ご自身の体重程有ると言われているため、接触している歯が多いほど1本に掛かる力は少なくなるため、歯や歯周組織にやさしい状態となります。

 

この時にたまに質問を受けることがあるのですが、治療計画で抜歯の説明があったが、歯を抜くのは本数が少なくなるから良くないのではないかということです。

結論から言いますと、上下の歯をしっかりと噛み合わせるために抜歯の治療計画をしていて、抜歯した方が力バランスが整う際にのみ抜歯の可能性が出てきます。

本数が多くても長期間しっかりと噛み合わせが維持できる歯列でなければ歯が残っていても歯にやさしい状態だとは言えません。

もちろん患者さんの意見は最大限尊重するように治療計画は立てていきますが、どうしても抜歯が必要になる時にはそういった点も考慮しているということはお伝えしておきます。

 

いずれにしても、前歯で物が噛めないという状態は、放置して良くなることは無いため、早期に治療する方が後々のご自身の歯を残すという観点からはメリットがあると思います。その他にも何か気になることがある場合は、いつでもご相談ください。

矯正治療中のおやつ

今回は、矯正治療中のおやつについてお話していきたいと思います。

 

よく矯正治療を始まる前や始めたばかりの患者さんから、

矯正治療中はおやつを食べたらだめなのですか?という質問を受けます。

おそらくブログや知り合いの方から聞いたという方が多いのではないかと思いますが、

矯正治療中におやつが全く食べられないということはありません。

ただ注意していただきたい点はありますので、そちらをご紹介しておきます。

 

・硬い食べ物

 

おせんべいやアイスキャンディーなど、

しっかりとした歯ごたえの噛み砕くようなおやつについては注意が必要です。

口に入れた瞬間は食べ物が矯正装置には当たっていないので、

それで安心してぐっと力を入れると、砕けたときに矯正装置に力が加わってしまいます。

噛む力は矯正装置の上下方向に力を加えることになってしまうため、

装置の脱離に繋がる可能性があります。

どうしても食べたいときは小さく砕いた状態で食べたり、

アイスキャンディーは齧らずに舐めて食べるようにしてください。

 

・粘着性のある食べ物

 

キャラメルやハイチュウなどのソフトキャンディーも注意が必要です。

硬さこそ多少小さい食べ物ですが、噛んでいくうちに出てくる粘着性が、

矯正装置に張り付いて引きはがすような力が加わってしまうことがあります。

これも装置の脱離に繋がったり、歯や装置の隙間にくっついてしまうことで虫歯になりやすくなります。こういった食べ物に関しては避けていただく方が無難だと思います。

 

 

この様に、矯正治療中に食べたらだめなものという観点で言うと矯正装置に影響を与えてしまう物が挙げられますが、もっと根本的なところで考えるとおやつの回数が増える=虫歯のリスクが上がるということになります。

 

食べ物を食べると口の中が酸性になり、その後ゆっくり中性に戻っていくのですが、

おやつを都度食べてしまうと口の中が酸性になっている時間が長くなってしまうため、

虫歯になりやすくなってしまいます。

矯正装置に慣れないうちは違和感から食事を小分けにちょっとずつ食べるという人もいますが、その違和感も少しずつ慣れて食事も普段と変わりなく摂れるという人がほとんどですので、その点に関してはご安心ください。

 

出来れば避けていただきたいおやつなどはありますが、

注意していただくことによって食べていただけるものもたくさんあります。

長い矯正治療期間なので、我慢ばかりしていると辛くなってしまうので、

ある程度自分を許しながら少しずつ頑張っていきましょう。

そういった要望や質問がある時にはできる限りお応えするようにはしますので、

いつでも相談してください。

矯正治療中の留学

今回は、矯正治療中の海外留学ということについてお話していきたいと思います。

 

新型コロナウイルスの影響で、今年は留学など難しいケースも多いと思いますが、

従来であれば新学期も始まり、そろそろ落ち着いてくる頃ではないかと思います。

新しい学年のイベントなども少しずつ増え始めて、夏頃には夏休みを利用した短期留学なども学校によっては行われているのではないかと思います。

そうした際に当院でも留学について相談を受けることがありますので、治療の可否や注意点などについてお伝えしていきます。

 

・短期留学について

 

上にも書きましたが、夏休みなどの短い休み期間を利用した留学に関してはそこまで大きな問題は無いかと思います。

症状や治療の段階にもよりますが、矯正治療は通常1から2か月に1回のペースで来院していただき、治療を行っています。

そのため、留学前に相談いただければ、そこに合わせて来院予約なども行いますので、

ご安心ください。

とはいえ、一定期間は来院することが難しくなるわけですから、

何かトラブルが起こった際の対処法などはしっかりとお伝えしますので、

きちんと理解した上で出発していただけたらと思います。

 

・長期留学について

 

まれに1年以上の長期留学に行くというケースの相談を受けることもあります。

近い国への留学で、1から2か月に一度は帰国することが出来るという場合なら当院での治療継続は可能ですが、それが難しい場合は治療自体困難になることが多いです。

留学が決まった状態で相談に来られた場合は、帰国してから治療をお勧めすることもありますし、現在治療中の患者さんの場合は、現地の矯正専門医に治療を引き継いでもらうことになります。

 

また、最近ではマウスピース型矯正装置だと患者さん自身が定期的にマウスピースを付け替えて治療を行うため、来院しなくても治療継続が出来るという宣伝を目にすることがありますが、これは少し怖いところがあります。

マウスピース型矯正装置で治療をする場合でも、歯の動きは予測できない動きをすることがあります。その際に、来院してマウスピースの再作成などで修正を行えば大きな問題になることはありませんが、それに気づかずに初めに作ったマウスピースを装着し続けていると、より一層動きがおかしくなってしまうこともあります。

つまり、矯正装置の種類によらず、一定の間隔で歯科医師によるチェックは必ず受けていただく必要があるということはご理解ください。

 

 

この様に、留学の期間などによって対応策は変わってきますが、私たちも患者さんの将来のために留学も矯正治療も諦めたくないという気持ちはとても分かります。

その患者さんにとってどの様にするのが一番いいのかを、症状だけではなく、ライフプランなどもしっかりと伺った上でご提案するように努力しています。

初めから無理だろうなと諦めてしまうのではなく、一度ご相談いただけると違った道をご提案できるかもしれません。

矯正治療で変化するものとしないものについて

今回は、矯正治療を行うことによって変化するものと

変化しないものがあるということについてお話していきたいと思います。

 

私たちのところでも、日々様々な方から矯正治療の相談にお越しいただいています。

相談内容も、「歯がガタガタだから治療したい」「出っ歯を治したい」

「笑った時の印象を良くしたい」など千差万別です。

もちろん矯正治療を行うにあたって、

患者さんの希望は最大限叶えられる様に努力していますが、

治療によって変えられないものもあります。

ではどういったところが変えられる、

変えられないのかについていくつか紹介していきます。

 

 

・大きな顔の変化をご希望の場合

 

矯正治療で綺麗な笑顔を手に入れるというのはとても大事なことだと思いますし、

私たちの治療目標としても大きな要素になっています。

ただこの綺麗な笑顔というちょっとあいまいな表現が難しい点でもあります。

美的感覚というのは皆さん一人一人異なりますので、

現状から歯並びが良くなって、見えるところが綺麗になっても満足ではないとおっしゃる方も少なからずおられます。

口元から見える歯並びの綺麗さ、

上顎前突(出っ歯)の方の横顔などある程度変化させることは可能ですが、

顔の大きな変化というところまで期待されてしまうと

ギャップを感じてしまうこともあるようです。

その反対に、今の状態を全く変えずに治療してくださいという要望に関しても、

努力はしますが多少の変化は起こってしまう可能性があります。

 

・加齢変化が加わるという点

 

矯正治療は年単位での治療を必要とします。

そのため、お子さんであれば少しずつ大人の顔立ちに変化しますし、

成人の方でもしわが出来てしまったり、顔が少し丸くなってしまうということは治療に関わらず極自然な変化として起こります。

矯正装置を外した時にそういった変化は多少なりとも起こり得るということは認識していただけたらと思います。

 

・体の不調を治すという点

 

よく噛み合わせが悪いと肩こりが起こる、

歯並びが悪いとスポーツ選手として力が出せないなどの話を聞くことがあります。

もちろんそういったケースも多々ありますし、

当てはまる人も多いのではないかと思います。

しかし逆に、噛み合わせを治したから肩こりが無くなる、

スポーツの才能が開花するということは絶対にそうなるということは断言できません。

噛み合わせ以外にも様々な要素がありますし、

本当に噛み合わせだけが原因の方なら肩こりが治るという変化も起きるかもしれませんが、個人差はあるということはご理解ください。

 

 

この様に、患者さんそれぞれに矯正治療について求めることは違っていますので、

診査・診断の際にはご要望は出来る限りヒアリングして実現可能なのかどうかという可能性は説明させていただきます。

何か譲れない点や希望の項目などある場合はその際にお申し付けいただけたらと思います。長い治療期間になりますので、お互いの認識を一致させて、一緒にゴールを目指せるよう努力していきます。