矯正歯科のお話:「ひらの矯正歯科」ブログ

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災害と口腔ケア

今回は、災害が起こってしまった際の口腔ケアについてお話していきたいと思います。

 

一気に気温も上がり、夏ももうすぐというところまで来ているように感じる今日この頃です。気温が上がるにつれて少し心配になってくるのが、豪雨による災害ではないかと思います。毎年どこかでゲリラ豪雨や台風で避難勧告が出たりと、いつどこで災害に見舞われるかわからなくなってきています。

そんな中で、災害時にできる口腔ケアについてご紹介していきます。

 

 

・歯ブラシなどがある場合

 

災害時の避難セットに入れている方も多いのではないかと思いますが、それを持ち出せているのであれば口腔ケアはいつも通り行ってください。

歯磨き粉などは一時的に無くても問題ありませんので、鏡などが近くにない場合はいつも以上に丁寧に磨くようにすれば磨き残しも少なくなるでしょう。

 

・歯ブラシなどがない場合

 

清潔な布やガーゼを指に巻き、歯の表面を拭うように汚れを落としてください。

細かいところまでは磨けないため一時的な対応にはなりますが、何もしないよりは間違いなく効果があります。余裕があるならばお茶や水でしっかりうがいをすることも一定の効果が見込まれるのでお勧めです。

 

 

災害時には、多くの被災者が避難所生活を強いられる可能性があり、緊張感やストレスで免疫力の低下が懸念されます。

そのため、口腔ケアをしっかりしていただくことは、感染症予防という観点からもとても大事なことです。

 

また、事前に矯正治療を行うということも口腔ケアにとってはとても有効的な方法です。叢生(乱ぐい歯、凸凹)がある状態だと、布やガーゼで拭うだけでは取り切れない汚れが多くなってしまいます。その分、口腔内の清潔さは失われてしまいますので、注意が必要です。

 

日常の口腔ケアをしっかりと行っていただくことで、災害時にも対応できることが増えてきます。

不正咬合で日頃の口腔ケアがやりにくいなと感じている方は、一度矯正治療を専門で行っている歯科医院で診てもらうことをお勧めします。

治療だけでなく、その方に合ったメンテナンス方法などアドバイスも出来る限りお伝えしたいと思います。


綺麗なスマイルとは

今回は、「スマイル」という点に焦点を当ててお話していきたいと思います。

 

これまで多くの患者さんの矯正治療をしてきておりますが、矯正装置を外すときの患者さんの笑顔というものは日々の仕事の疲れを忘れさせてくれるぐらい素敵なものだと感じます。

 

しかし、残念なことによく海外の方と比較すると日本人はスマイルが苦手だと言われてしまうことがあります。

洋画や海外ドラマなどではとても自然にスマイルを交わしている印象があります。それと比べて日本の方はシャイな方が多いのか、気心が知れない方とはあまり笑顔で挨拶を交わすという機会が少ないように感じます。

また、日本人特有ともいわれる照れ笑い(失敗した時などにバツが悪くなり、少しニヤついたような表情になること)も海外の方からは理解しにくい表情だと言われます。

では素敵な笑顔になるための要素は何なのかを見ていきましょう。

 

 

・綺麗な歯並び

 

これはご理解いただけるのではないかと思いますが、笑顔になったときに歯が綺麗に並んでいるととても素敵な笑顔に感じます。

左右の対称性や歯の先端のカーブなど綺麗に見えるための要素はたくさんあります。

 

・口唇、口角の位置

 

左右対称に口角が上がるような笑顔は好印象を持たれます。また、口唇の位置も大切で、上顎の歯の切端のカーブに沿うように口唇が位置し、歯茎が見えすぎていないことが大きな要素ではないかと思います。

 

・舌の位置

 

舌は本来、上顎の前歯の後ろあたりにあるスポットと呼ばれるところに収まっているのが自然な状態です。

ただ、中には舌が上顎のスポットから離れてしまっており、笑った時に舌が飛び出してしまう人がいます。これはあまりいい笑顔とは言えません。

 

・歯の白さ

 

矯正治療を行うと、ご自身の見え方により意識を置くようになる方も多く、治療後にホワイトニングを行う方も居られます。

「芸能人は歯が命」というCMではないですけれど、やはり白い歯は清潔感を感じる大きな要素になっているかと思います。

 

この他にも要素はあるかと思いますが、代表的なものとしては上記が与える印象は大きいのではないかと思います。

 

矯正治療はこういった審美的な観点を考慮すると同時に、歯の噛み合わせもしっかりと計算して治療を行っております。

※もともとの骨格の問題、自然な左右差などの要素があり歯列矯正のみで全てを解決することは難しい場合もあります。

 

 

 


顎関節症と不眠について

 

今回は、顎関節症と不眠というテーマについてお話していきたいと思います。

 

そもそも顎関節症は、あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)」、「口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」のうちの1つ以上があり、これらと同じような症状の出ることのある、顎関節症以外の病気がない時に顎関節症と診断されます。

実際には、患者さんへの聞き取り(問診)、あごの動きの検査、あごや咀嚼筋の痛みの検査、レントゲン検査、必要に応じてMRI検査などを行い、顎関節症以外の同じような症状を呈する疾患を鑑別した上で診断を行います。

また、痛みには、身体的な傷害だけではなく、心理的・社会的な因子も強く関連することから、これらの状態は心理テストなどを用いて検査する場合もあります。

(日本顎関節学会参照:https://kokuhoken.net/jstmj/general/about_tmd.html)

 

この顎関節症になる原因として考えられているものはいくつかあります。

「歯ぎしり」「食いしばり」「噛み合わせの悪さ」「ストレス」などが関与していると言われており、複数が絡み合って原因となっていることもあります。

歯ぎしりや食いしばりなど、筋肉に過度な負荷をかけ続けていると、肩や首の凝りや、自律神経の乱れに繋がることもあります。

この自律神経の乱れで、副交感神経より交感神経の方が優位な状態が続くと、いわゆる興奮状態となり、眠りにつきにくくなったり、眠りが浅くなることも考えられます。

 

では顎関節症が疑われるときに、そのようなことに注意をすればいいのでしょうか?

顎関節症は、日常生活における行動や癖が症状と関係している場合があるため、知ることと注意することで緩和できる可能性もあります。

具体的には、「顎関節への負担を減らすため、硬い食品や長時間の咀嚼は避ける」「頬杖をやめる」「猫背の場合、姿勢をよくする」「食事以外で上下の歯が接触していることに気付いたら歯を離すようにする」「強い心理的な緊張を感じる環境があれば、それを改善し避ける」などが挙げられます。

 

また、歯列の乱れや噛み合わせの悪さが原因で顎関節症が疑われる場合は、矯正治療で改善できる可能性もあります。

左右どちらかの歯ばかりで噛んでいたり、変な噛み癖がついていると、顎関節に日常的に負荷がかかってしまうため、注意が必要です。

 

いずれにしても、顎関節症の判断はしっかりと検査した上で確認してみないとわかりません。肩や首の凝りが続いている、それに伴ってなかなか眠れないなどの症状がある方は、一度矯正治療を専門に行っている歯科医院での検査を受けてみるのはいかがでしょうか。

原因がわからないと必ず改善するとは言えませんが、可能性の一つとしてご提案はさせていただきたいと思います。


舌側矯正と口臭

今回は、舌側矯正と口臭というテーマについてお話していきたいと思います。

 

矯正治療中に外から気付かれにくいという審美的な観点から、歯の裏側に矯正装置を取り付ける舌側矯正を希望される方は少なくはありません。

ただ、たまに舌側矯正で治療をしている方から口臭が気になるといった相談を受けることがあるため、その原因と対策をお伝えしていきます。

 

・矯正装置の汚れ

 

舌側矯正は歯の裏側に矯正装置を取り付けるため、表からはほとんど見えません。

そのため、知らないうちに矯正装置やその隙間に汚れがたまってしまっているというケースも見受けられます。

汚れが付着したまま放置すると、口腔内の細菌がその汚れを分解する際に硫黄化合物を発生させてし、これが口臭の原因になります。

そのため、いつも以上に入念なブラッシングや、タフト、洗口液の使用なども大切なケアになります。

 

・口腔内の乾燥

 

裏側矯正では、口腔の内側に矯正装置を装着するため、舌に当たることもあります。その舌の違和感を回避しようと、稀に口を開けたままにしてしまう方がおられます。

その結果として、口腔内が乾燥してしまうと、唾液の自浄作用が弱まってしまい、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。

また、最近ではマスクをして息苦しくなり口呼吸になってしまうこともあります。

いずれにしても、口が開いているということが思い当たる方は、意識的に口を閉じるようにしてください。

 

・口腔内環境の改善

 

これは舌側矯正に限ったことではありませんが、歯垢や舌垢がブラッシングで取り除けていない、喫煙をする習慣があるなど、口腔内の衛生環境が悪化することによって口臭が発生してしまうことがあります。

今までの生活を振り返ってみて、矯正治療を始めた後でメンテナンスがしっかりと出来ているのかチェックしてみるのも大切です。

 

 

この様な些細なことから口臭などが起こる可能性があります。

矯正治療中は矯正装置がついている分、今まで以上に丁寧なブラッシングで口腔内の衛生環境を清潔に保っていただく必要がありますので、

もしメンテナンス方法などがわからないときは後回しにせず、

いつでも質問してきてください。


抜髄後の矯正治療

今回は、抜髄(ばつずい)後の矯正治療についてお話していきたいと思います。

 

患者さんから稀に、過去に虫歯の治療で神経を抜いている(抜髄)のですが、矯正治療は可能でしょうかという質問を受けることがあります。

過去に虫歯を経験したという人も少なくはないと思いますので、こういった経験がある方の注意点などお伝えしていきます。

 

まず結論から申し上げますと、歯根膜(しこんまく)と言われる歯茎の中に埋まっている歯根の表面部分が健康であれば矯正治療は行うことができます。

しかし、虫歯治療で被せ物をしている場合や、欠損している歯が多い場合は注意が必要です。

 

 

・欠損した歯がある場合の治療

 

虫歯や歯周病などで過去に抜歯をして、そこから時間が経過しているという場合は、歯槽骨が吸収されて細くなってしまっていることがあります。

そこに無理矢理歯を動かしてしまうと、歯根が飛び出してしまうことなどもありますので治療に制限が掛かることがあります。

また、動かせるだけの歯槽骨が残っていても、通常より慎重に治療を行う必要があるため少し時間がかかることもあります。

 

・被せ物がある場合の治療

 

被せ物も種類があるため、形状や材質での判断になりますが、ブリッジなどで隣の歯と固定されている場合は歯が動きにくくなるため、一度外していただく必要があります。

また、矯正治療を行うにあたって、歯がきれいに並んできたときに周りの歯との大きさなどのバランスが取れないと、その部分の被せ物を少し調整する必要もあります。

 

 

この様に、患者さんの状態によって治療が難しいこともありますが、治療方法の工夫などで矯正治療を行う事が可能な場合が多いです。

また、もし診査・診断をした上で抜歯が必要という場合は、状態があまりよくない歯を抜歯の対象にするという事も検討出来ます。

ただ、全体的なバランスや治療期間などが変わってくるため、患者さんと相談して何を優先するかを決めたうえで治療を進める必要があります。

 

矯正治療によってきれいな歯並びを手に入れることができると、ブラッシングのやりやすさなどが格段に変わります。

結果として虫歯や歯周病のリスクを軽減することに繋がりますので、過去に虫歯で抜髄をしたという痛い思いをしたことがある方は、これからの人生で残った歯の健康について少し検討してみるのはいかがでしょうか。

わからないことや不安なことがある場合はいつでも気軽にご相談ください。