日本舌側矯正歯科学会とは:「ひらの矯正歯科」ブログ

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日本舌側矯正歯科学会とは

こんにちは。11月に日本舌側矯正歯科学会に行ってまいりましたので、
今回は、日本舌側矯正歯科学会という学会について紹介していきたいと思います。

“日本舌側矯正歯科学会は、日本での舌側矯正を発展させていくため、
会員相互が意見・技術を交換して、より高度な術式を習得するための場を提供することを目的として10人の有志により、1988年に結成されました。
本会の年間活動では、総会や舌側矯正のタイポドントコースの開催および学会雑誌の発行をおこなっています。対外活動として、アメリカやヨーロッパの舌側矯正学会の総会での発表、ケースプレゼンテーションの支援を行っています。”
(引用:学会紹介 | 日本舌側矯正歯科学会 (jloa.org))

上に書いた内容が、舌側矯正歯科学会HPの紹介文となっています。そもそも舌側矯正とは、本来歯の表側に矯正装置とワイヤーを装着して治療を行っていたものを、歯の裏側に矯正装置とワイヤーを装着して治療を行えるようにしたものです。
昔は舌側矯正で使用する装置もかなり大きく違和感が強い、
治療できる症例が限られるといったデメリットがありましたが、日々の装置や技術の改良により、そういった問題も改善されてきています。

では具体的に、舌側矯正のメリットについても紹介していきたいと思います。

1、目立ちにくい
治療を検討する人の中で、この理由が一番多いのではないかと思います。
上にも少し書きましたが、矯正装置を歯の裏側に装着するため、よほど口を大きく開けたり、意識的に見ようとしないと矯正装置が見えにくくなっています。
最近ではコロナウイルスの蔓延から日常的にマスクを着用するようになっていますので、口元が露呈するのは食事などの限られた時間になってきています。
そのため、見えにくい舌側矯正で治療を行っていると誰にも気付かれないですといった患者さんのお声を聴くこともたくさんあります。

2、虫歯になりにくい
矯正装置を装着していると、ブラッシングがしにくくなります。
そのため、しっかり意識してブラッシングをしないと磨き残しから虫歯になるリスクが高くなってしまいます。
しかし歯の構造上、表側より裏側の方がエナメル質が厚く、虫歯になりにくくなっています。さらに、歯の裏側は唾液の循環も活発なため、唾液の自浄作用で虫歯菌が繁殖しにくくなっています。
この様な観点から、舌側矯正は虫歯になりにくいと言われています。

3、舌癖の防止
上顎前突(出っ歯)の方の多くは、常に舌で前歯を押している癖があります。
口を閉じてリラックスした状態の時には、舌は上の歯の付け根から1センチほど奥に下がったタンスポットといわれる位置にあるのが正常です。舌側矯正では、裏側に矯正装置が付いているので、舌がタンスポットの位置から上に動くことを防ぐことができます。
つまり矯正装置自体が舌癖防止の役割も果たすことになり、装置を外した後の後戻りのリスクが減る可能性が高いです。

この様に、舌側矯正ならではのメリットもたくさんありますが、一人一人オーダーメイドで治療計画と治療を提供するため、技術としては非常に難しい治療です。
そのため、きちんと舌側矯正で治療できる歯科医院は限られていて、今回の舌側矯正歯科学会での発表では、舌側矯正の認定医は全国で65名ほどしかいないとのことでした。
この舌側矯正認定医は、5年ごとに症例(舌側矯正で治療した結果)を発表し症例審査を受ける必要があり、今回私も認定医更新のために症例発表をしてきました。

舌側矯正歯科学会など、専門知識や新しい技術を習得できる場は非常に有意義なため、私も可能な限り参加して知識を向上するように努めています。
皆さんの中で、舌側矯正に関してわからないことや疑問に思うことなどある場合は、いつでもお気軽に質問しに来てください。
しっかりと理解していただくまで説明するように努力しています。