2024/08/28
回は、笑顔によるメリットというテーマでお話していきたいと思います。
早速ですが、皆さんは普段思いっきり笑えていますか?仲間との談笑や家族とのコミュニケーション、面白いテレビ番組などそれぞれよく笑顔になるシチュエーションがあると思います。
しかし、私たち矯正歯科医院に相談に来られる方のお話を聞いていると、歯並びが気になって人前で思いっきり笑えないという悩みを持っている方も居られます。ではここで今回のテーマでもある笑顔によるメリットについて紹介していきます。
・周りが良く見える
人は緊張すると視野が狭くなると言われています。笑顔はこの緊張を和らげて気分を高揚させる効果があるため、自分以外の周りに目が届きやすくなります。結果として洞察力や新しいアイデアを出すための発想力を高めるということに繋がりやすいです。
・人間関係の構築
笑顔は相手のことを信頼していますというサインの効果があり、関係性を構築する上でとても大切なことです。
初めて行ったお店で店員さんが笑顔で対応してくれて気持ちよく過ごせたという経験をしたことがあると思います。
また、赤ちゃんが笑っているのを見て、自然と微笑んでしまうという経験をした方もいらっしゃるかもしれません。
笑顔は相手に伝わり、お互いの関係性を高めるという事を人間は本能的に理解しているのです。
・健康への影響
笑顔になると副交感神経が優位になり、安心感・安らぎを感じられると言われています。
また、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は腫瘍やウイルスの拒絶に必要な細胞ですが、笑う事でこのNK細胞が活性化するという事が分かっています。
免疫力向上のためにも笑うという事はとても大切なことです。
・作業効率のUP
笑顔には気分を高揚させる効果があるため、職場の人と積極的にコミュニケーションを図ったり、新しいことへの挑戦の意欲が湧きやすくなります。
その結果、仕事に対する姿勢や仕事の効率化に繋がりやすくなると言われています。
この様に、笑顔になるという事は自他共にとてもいい影響があるという事はご理解いただけたのではないかと思います。
口元がコンプレックスで、人前で笑うことが苦手という方は一度矯正治療で素敵な笑顔を手に入れる検討をされてみてはいかがでしょうか。
現状をしっかりと確認して、出来る限りご希望に添えるような治療を提案させていただけたらと思います。
2024/08/23
今回は、タバコを吸った時の歯の黄ばみについてお話していきたいと思います。
タバコを吸うと歯が黄色くなるという認識がある方は多いのではないかと思いますが、なぜそうなるかという仕組みまで知っている人はそこまで多くないのではないでしょうか。
歯が黄ばむ原因
タバコに含まれる有害物質のなかで、タールという物質が歯の黄ばみの原因となります。通常歯の表面は、唾液に含まれるペクリルという成分によって守られていますが、ペクリルはタールと結びつきやすい性質を持っています。そのため、タールとペクリルが結びつくことによって歯の表面が黄ばんでしまいます。そしてこのタールは歯の表面に定着しやすいため、ブラッシング程度ではなかなか着色汚れは落ちないというのが現状です。
ここで問題になってくるのが、矯正治療を行っている方が喫煙をするとどうなるでしょうか。
最近では矯正治療を行う装置も増えており、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して行う方法やマウスピース型の矯正装置を使用して治療する方法などもあります。
ブラケットとワイヤーで治療する場合
ブラケットと言われる矯正装置を歯の表面に接着剤で取り付けて治療を行っているため、ブラケットの下にある歯の表面は露呈していない状態です。そのため、タバコを吸って歯が黄ばんでしまうと、ブラケットが付いていないところは歯が黄色くなるのですが、ブラケットが付いている部分は元の歯の色のままになります。つまり、ブラケットを外した時に歯の色が斑に異なってしまうことになります。
マウスピース型矯正装置で治療する場合
マウスピース型矯正装置は取り外しができるのでブラケットの様な着色の心配がないのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、あまり知られていないかもしれませんが、マウスピース型矯正装置を使用する際、歯の表面に装置の引っ掛かりを作るためにアタッチメントというレジンの突起を取り付けることがほとんどです。そのため、マウスピース型矯正装置を外したとしても斑に着色してしまうリスクは変わりません。
ではどうしてもタバコを吸いたいときはどうすればいいのでしょうか。
電子タバコを使用する
電子タバコには歯の黄ばみの原因となるタールが含まれていないため、着色のリスクはありません。また、加熱式タバコにはタールが含まれていますが、量が少ないため通常のタバコを吸うよりリスクの軽減に繋がります。
ヤニ取りパイプを使用する
タバコのフィルター部分に取り付けるパイプで、口腔内に侵入する有害物質の量を軽減してくれます。ただ量は少なくなりますが無くなるわけではないので注意は必要です。
都度ブラッシングを行う
タールとペクリルが結びつくには半日以上の時間がかかると言われています。そのため、タバコを吸った際に都度ブラッシングを行うというのも黄ばみを抑えるための有効な方法となります。
言われなくても分かっていると言われてしまいそうですが、タバコは体にとって有害な物質を多く含んでいます。今回、どうしても吸いたい時の方法を書いてきましたが、禁煙に勝る方法はないという事はお伝えしておきたいと思います。これ以外でも何か気になることや相談したいことがあるという方はいつでもお気軽にお問い合わせください。
2024/08/07
今回は、「デジタル化に対応した食育の推進」というテーマについてお話していきたいと思います。
まずデジタル技術という観点から話を始めていこうと思うのですが、新型コロナウイルスの蔓延以降、非接触の必要性からデジタル技術の普及が急速に進んだように感じます。
従来、私たち歯科医師向けの学会やセミナーは対面式が多かったのですが、最近ではオンラインで視聴できるものが増えたり、患者さん自身もネットなどの情報を見て矯正治療の相談に来られる方が多くなっております。
皆さんの身の回りでもデジタル技術の普及を感じる点は何かしらあるのではないでしょうか。
このような時代背景から、「デジタル化に対応した食育の推進」として、農林水産省でもデジタル技術を利用して食育を普及させるため、オンライン料理教室やインターネットによるイベントの開催、動画配信など非接触型の食育の展開を行っています。
最新の食育活動の方法や知見を食育関係者間で情報共有したり、異業種間のマッチングによる新たな食育活動を創出するきっかけ作りや、個人レベルでも、いつでも手軽に使える食育アプリ等も提供し、より多くの方に食育について考えていただけるような機会を創出しようと頑張っています。
また、新型コロナウイルスの蔓延や円安・物価高の進行など、今までとは異なる「新たな日常」での生活水準の向上を目指して、自宅で料理や食事をし、食生活を見つめなおす機会を増やせるような活動もしております。
その結果として、栄養バランスや食文化、食品ロスなど食に関する意識を高めるような食育レベルの向上に貢献できれば社会に良い循環をもたらせるのではないかと思います。
食育の観点は、矯正治療の大元にある、「生涯健康な歯でおいしい食事をできるように」という想いでつながっています。
今回は農林水産省の取り組みなどを少しご紹介しましたが、興味ある方はガイドブックも出ているので見てみてください。
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/220415.html
また、少し観点は違う話になりますが、矯正歯科の治療についても、近年デジタル技術の普及はとても進んでいます。
私達も良いと思うものはしっかりと取り入れて治療の精度に反映していきたいと思うと同時に、必要な情報の取捨選択の技術はより一層必要な時代になってきているのかなと感じています。
これは日常生活においても当てはまり、フェイクニュースなどに惑わされずにより良い情報をしっかりと選択して取り入れる技術が今後要求されるのではないかと思います。
ネットの情報だけを鵜吞みにするのではなく、身近な親族や友達などに相談し、しっかりと考えるという機会を増やすことも大切なことかと思います。
私達も患者さんからの疑問や質問などはしっかりと理解していただけるまで説明するようにはしていますので、何か気になることがある場合はいつでも相談してください。
2024/07/26
今回は、矯正治療中に旅行に行く場合に、注意すべき点についてお話していきたいと思います。
ゴールデンウィークも終了し、いろいろな所に旅行に出かけたというニュースもよく目にしました。今年は円安の影響もあり、海外よりも国内で楽しく過ごしたという意見もよく見かけたので、皆さんいろいろと工夫をしながら過ごしていたのだなと感じました。また、そろそろ夏休みに向けて旅行を計画し始める方も増えてくるかと思いますので、特に矯正治療を行っている方への注意点をまとめてみたいと思います。
・マウスピース型矯正装置を使用している方
取り外しが可能なマウスピース型矯正装置を使用している方は、特に装置の使用時間に注意していただきたいと思います。マウスピース型矯正装置の使用条件として、1日22時間以上装着をしていただく必要があります。日常生活の中であれば大体このぐらいの時間にご飯を食べてブラッシングをし、装置を装着するというルーティンが出来ているのではないかと思います。ただ旅行中はなかなかそういかず、ついつい食べ歩きや長時間の飲食・飲酒で装置を装着し忘れてしまうことがあります。外出中、食後にブラッシングをして装置を装着するというのは煩わしいということは理解できますが、使用時間が短くなるとそれだけ矯正治療に遅れなどが出てしまう可能性もあります。
対処方法として、口を漱ぐだけでもいいので食後にしっかりと装置を装着していただき、宿などで落ち着いたタイミングでブラッシングや装置の洗浄をしっかりと行ってください。また、粘着質の食べ物を食べてしまうと、口を漱ぐだけでは落ちにくく装置にこびり付いて虫歯の原因にもなりかねないため注意が必要です。
・ブラケット、ワイヤーで矯正治療をしている方
こちらの矯正装置に関しては常に歯に装着されているため、装着時間について気にしていただく必要はありません。ただ食事に関しては粘着質なものや硬い食べ物を食べる際には注意するようにしてください。おそらく普段から注意はしていただいているかと思いますが、旅行などではついつい注意が疎かになってしまうこともあるので要注意です。また、歯ブラシやタフトなど普段使用しているメンテナンスグッズも忘れずに持っていくように準備してください。
いずれの矯正装置を使用していても注意すべき点はありますので、これから矯正治療を始めようと考えている方はご自身のライフスタイルなども振り返ってみてどの装置がいいのか選択の参考にしていただけたらと思います。また、日常・旅行中いずれの場合でも矯正装置が壊れた時にはすぐに歯科医院に連絡を取り、どの様にすればいいのか指示を仰ぐようにしてください。旅行日程など決まっている方はメンテナンスの際に事前に注意点など質問していただけたら治療の段階なども鑑みてアドバイスさせていただくようにいたします。長い矯正治療期間になりますので、少しでも楽しく過ごしていただけるよう私達も努力しておりますので、治療終了まで一緒に頑張っていきましょう。
2024/06/27
現在、農林水産省が推奨している「食育」の中に、食べ物の産地や生産者を意識してみようというテーマがあります。最近ではふるさと納税などで地域を応援するという活動も広がってきていますが、普段口にする食材も同じように生産者や産地を意識してみるだけで食に対して新鮮な気持ちになってきます。
今回はタイトルにあります地産地消に関して少し考えてみましょう。
地産地消とは、地域の産品の消費を促進する取り組みで、地域の経済や農業、漁業、林業などの産業を支援し、地域社会の活性化を図ることを目的としています。
地域の自然環境や気候に適した農産物や水産物を生産し、それらをその地域で消費することは、食料の安定供給や生産者の収入増加につながります。これは食材を作っている人だけでなく、販売に関係する人たちの雇用など地域の活性化にダイレクトに影響します。
また、地域の特産品や伝統的な食文化を守り、地域の誇りやアイデンティティを高めることも重要な要素として捉えられていたりもします。
この地産地消の推進には、消費者の意識改革や地域コミュニティの連携が欠かせません。消費者は地元の産品を積極的に選び、食品ロスの削減や資源の有効活用など、地域に貢献する消費行動を取ることが求められます。そこで地域コミュニティでは、農業者や食品加工業者、小売業者などが連携し、地域ブランドの構築や販路の開拓、情報発信などを行うことで、地産地消を推進しています。
さらに日本では、地産地消を支援するための政策や取り組みが行われており、地域振興や農山漁村の活性化に向けた施策が進められています。例えば、地域の農産物や特産品をPRするイベントやマーケティング活動、地域ブランドの認証制度の導入などが行われています。
これを読んでいる人は横浜近辺に住んでいる方が多いと思いますが、都心に住んでいる場合、地産地消ということに意識を向けることはなかなか難しかったりしますよね。ただ、前回のコラムで紹介したようにエコレールマークについて考えてみたり、旅行などで道の駅に寄ってその地域の生産物を買ってみたりと色々貢献することはできます。
普段このコラムでは歯並びや噛み合わせの大切さ、そして日々のメンテナンスの重要性などをお伝えしてきていますが、それは生涯自分の歯でおいしく食事が出来るようにするためです。
今回地産地消について少し書きましたが、普段何気なく食べている食事・食材に関しても、少し違った視点で考えてみるだけで愛着が湧いてきてきます。日々の食事をより楽しく、おいしくとっていただくことにつながれば幸いです。