ひらの矯正歯科|横浜市瀬谷区の矯正歯科 ブログ

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休診日 / 月曜・木曜・日曜(第2・第4)・祝日

上顎前突とお口の怪我

ひらの矯正歯科には子供の患者さんが多くいらっしゃいます。
またその中でバスケットボール、野球、サッカーなど
様々なスポーツをされている方もたくさんいらっしゃいます。
そこで今回のコラムは、上顎前突(出っ歯)と
怪我について書いてみようと思います。

上顎前突は受け口と同様、日本人に多い不正咬合の一つですが、
出っ歯という方がなじみは深いかもしれません。

しかし、一言に出っ歯と言っても様々あります。
上あごが大きく下あごが小さい「骨自体(顎の)の出っ歯」
いわゆる骨格性の上顎前突。

上の歯列が極端に唇側に傾いている「歯の出っ歯」
いわゆる歯槽性(しそうせい)と呼ばれるものがあります。
そして、それらの混合タイプ等その症状は多様です。

上顎前突になってしまう原因としては、
乳児期の指しゃぶりや唇を噛んでしまう癖など、
習慣からくるものと、遺伝的なものと大きく2種類あります。
(その他のものもありますが長文となるため割愛します。)

出っ歯に関しては審美的な面(見た目)から
治療に来られる方が多いのですが、
実は食べ物を噛むという機能的に考えても、
衛生面で考えても矯正治療をしていく方が
良いということが認知され始めています。

出っ歯を放っておくと奥歯のみで咬む癖がつき、
奥歯に負担が集中し、奥歯がすり減っていく原因になります。
また、唇が閉じにくく、口呼吸になることで
唾液による自浄効果が下がり虫歯、歯周病になる
リスクが上がってしまいます。

そんなマイナス面の多い上顎前突ですが、
さらにスポーツにおける怪我というリスクも考えられます。
特に子供の部活動など、体が接触するスポーツを
されている場合は注意が必要です。

正常な歯列の場合、もし口に何かがぶつかっても歯列全体で
その衝撃を受け止めますが、出っ歯の場合、衝撃を前歯のみで
受けてしまうため、前歯の破折や脱臼などを
起こしやすいと言われています。

日本学校歯科医会が歯のケガの多いスポーツに
関してデータを出していました。
中学生(総数1256件)高校生(1198件)の
ケガの多い順でみてみるとバスケットボールが
最も歯のケガが多いとのことです。

中学生の歯の怪我.jpg

高校生の歯の怪我.jpg

ここに載っていないスポーツでも、
上顎前突の場合だと口元に強く力が加わった際に
大きなケガになる可能性が
通常の歯列の方と比べると高くなります。

中学、高校と進むにつれて
体の発育とともにスポーツの身体接触の力は大きくなってきます。
子供のうちの矯正治療のメリットはこれまで書いてきましたが、
スポーツと怪我の観点からも矯正治療を
始められる人が増えてきています。

ひらの矯正歯科

オーバージェット、オーバーバイトの実態

以前、叢生(デコボコ)と空隙(空き歯)の実態について書きましたが、
今回は、オーバージェットとオーバーバイトに関する実態調査から
ブログを書いていこうと思います。

オーバージェットというのは上の前歯と下の前歯の前後関係
(上の前歯と下の前歯の距離)のことを指し、
上の前歯が大きく前に出れば出るほど出っ歯になります。
もともと上顎の前歯の方が前に出ているのが正常なのですが、
6㎜以上の開きが出てくると噛み切ることに問題が出てきます。

一方、オーバーバイトというのは咬み合わせの深さのことを指します。
これも正常な場合でも少し上顎の前歯が少し下顎前歯にかぶさっていますが、
ひどくなると上の前歯が完全に下の前歯にかぶさり、
下の歯が見えなくなってしまうことがあります。
これをディープバイト=過蓋咬合と呼びます。
また逆に開咬(オープンバイト)のように
本来重なっていなくてはならないものが、
前歯同士がまったく触れることがないという症例もあります。

以前の叢生と空隙のレポートと同じく、
厚生労働省の歯科疾患実態調査からご紹介しましょう。

・オーバージェット(対象12歳~20歳 209名)

4㎜以上:71名(うち27名が6㎜以上のオーバージェット)

約3名に1人がオーバージェットの数値が大きいことがわかりました。
数値が大きければ大きいほど出っ歯の状態が大きく、
食べ物を噛み切ることに支障がでていると考えられます。

また、そこまで大きくなかったとしても、
上顎前歯の内側の歯茎と下顎の前歯で食べ物を
咬み切る癖がついている場合は
下の歯で上の歯茎を咬んでしまうので
その部分に傷や歯肉炎などのリスクが出てきます。

・オーバーバイト(対象12歳~20歳 194名)

4㎜以上:35名
‐0.5㎜以上:9名
‐4㎜以上:3名

オーバーバイトは4㎜以上の深い咬み合わせの方が35名なので、
約5人に1人がディープバイトであることがわかります。
また逆にマイナスの方が12名います。
マイナスというのは咬み合わさっていない開咬であることを表しています。

オーバージェットとオーバーバイトに関しては、
一見、歯並びがきれいに並んでいるように見える人でも
問題のあるケースが存在します。

叢生(デコボコ)や空隙(すきっぱ)など見た目に関係するものと違い、
咬むという機能に関連する項目ということです。
数値が大きくなれば出っ歯などわかりやすいものですが、
正確に診断することでわかってくることもありますので、
一度ご自身の歯並び、子供の歯並びの状態を
チェックしてみてはいかがでしょうか?

ひらの矯正歯科

学校歯科健診が始まります。

 2015年4月がスタートしました。
あっという間に新年度スタートです。
恐らく来週の月曜日6日から新学期がスタートされる方が多いのではないでしょうか?

 そして4月~6月にかけ学校歯科健診が始まります。

 虫歯のチェックと歯並びのチェックが行われます。

 ひらの矯正歯科では、毎年この時期に
「学校歯科健診で歯並び項目にチェックが入ったので初診相談して下さい」
とのお話しを頂きます。 

 歯並びの項目にチェックが入っても必ずしも矯正治療が必要とは限りません
そして当院では、無理に矯正治療をお薦めすることはありませんので
ご安心してご連絡を頂けましたら幸いです。

話は変わりますが、春といえば、いろいろな行事があります。

 我が家では、先日の休診日にイチゴ狩りにいってきました。
二人の子供たちのかねての希望です。
15-1.jpg

30分間の食べ放題でした。
子供たちは、イチゴが大好きで「100個食べるんだ!」
と意気込んでいましたが、15分ほど経過したら食べ過ぎて
ギブアップしていました(笑)

でもとても美味しいイチゴを頂き、家族でとても満足な
春休みを過ごしました。

15-2.jpg

皆様も良い春休みをお過ごし下さい。
私たち家族が行ったイチゴ狩りは、ひらの矯正歯科からも近くの場所ですので
ご興味がある方は、矯正の診療の時にお声掛け下さい!!

ひらの矯正歯科

顎関節症とは

矯正治療は美容というイメージが過去において一部でありましたが、
最近では歯列矯正治療の認知度も高くなり
単に見た目だけでなく、顎の位置、かみ合わせ全体をみた健康面を
気にされて矯正治療を希望される患者さんが増えてきました。
それと同時に顎関節症という言葉も様々なところで耳にするようになってきました。

そこで今日はそもそも顎関節症というのは
どういったものなのかについてお話ししていきたいと思います。

まず、なぜ咬み合わせと顎関節症が関係しているのかというと、
肩こり、頭痛などの原因の一つとしてかみ合わせが注目されてきたことがあります。
一見かみ合わせと頭痛などは関係ないように見えますが、
顎の筋肉のバランスなどが肩こりにつながり、
そこから頭痛につながる可能性など様々な
研究がされてきているのが現状です。

※顎関節症は、多因子疾患(多くの原因がからんで出現する疾患)
といわれていますので、咬み合わせのみの単独の理由で必ずしも顎関節症が
発症するわけではありません。
いわゆる「悪い咬み合わせ」=「顎関節症」ではありません。

顎関節症に関して興味深い報告があります。
顎と咬み合わせに関する学会、日本顎咬合学会という学会があり
約17,000名を対象にしたある調査では、
男性で14.9%、女性で17.3%の方が顎関節症と診断されたそうです。
顎関節症は、20代~40代に多いとされていますが、
近年では若年者にも増加しているといわれています。

今では虫歯、歯周病とともに歯科三大疾患に
並ぶのではないかというほど身近なものです。

顎関節症のメカニズムについてですが、まず顎の関節の仕組みですが、
頭蓋骨の顎の部分に下顎頭(下あごの骨)がはまっています。
そして頭蓋骨と顎の関節が食べ物を咬む際にゴリゴリ擦れない様に
頭蓋骨と下顎頭の間に関節円盤というクッションの役割を
果たす軟骨の様な物が存在します。
このクッションがずれてしまうと顎の開閉の際に
頭蓋骨と下顎頭が直接擦れてゴリゴリという音が
鳴ったり、痛みがでたりします。
それ以外にも症状の出方には様々なバリエーションがありますが
詳細に記載するともっと長文になりますので
今回は、割愛いたします。

顎関節症は、多因子疾患(多くの原因がからんで出現する疾患)
といわれており、精神的ストレス、生活習慣、もともとの顎の関節の弱さ、
ブラキシズム(歯ぎしりや食いしばり等)咬み合わせ等、
さまざまな要因によって出現するといわれています。
症状として口が開かない。顎の周囲の筋肉に痛みがある。
口を開けると顎の関節に音が鳴る。
等、その症状は多岐にわたります。

前述したように「咬み合わせのみ」=「顎関節症」ではありませんが、
咬み合わせも顎にとって重要な要素となります。

出っ歯や受け口などの不正咬合は審美的問題と同時に、
顎の機能に影響を及ぼしているケースも少なくありません。
矯正治療専門医院として多岐にわたり診断して良い治療を目指していきます。

ひらの矯正歯科

不正咬合のさまざまな種類 その2

前回のブログで不正咬合の内、審美的な不正咬合について書きました。

上顎前突(出っ歯)、
反対咬合(受け口)、
叢生(デコボコや八重歯など)、
正中離開など、
比較的見た目に関係する歯並びの状態についてご紹介しましたが、
今回は幼少期において見た目に気が付きにくい
不正咬合についてご紹介したいと思います。

1)交叉咬合(こうさこうごう)
交叉咬合は上下の歯列が左右にずれているものです。
本来あるべき位置より上顎が右にズレていたり、
下顎がずれていたり色々なパターンがあります。
左右=水平方向にずれているため、前歯で食べ物を咬みきることは出来ます。
しかし奥歯がしっかりと咬み合っていない為、
すりつぶすということがあまり出来ません。
正しい位置にある場合は、上下の一番前の2本の歯の間が
ほぼ一直線の線でつながります。
正中と呼びますが、鏡の前で「イー」とすれば直ぐにご自身でも判断出来ます。
※歯の大きさは左右で差があるため必ずしも
完全に一致しなくてはいけないということはありませんが、
5ミリ以上ずれが生じた場合、注意が必要です。

2)開口(かいこう)
文字通り口が開いている症状で、奥歯は咬めているのに
前歯が咬み合わないというものです。
これは前歯で物を咬み切るということが難しいタイプです。
また、前歯が開いているだけでなく、口自体が開いている状態が続くこともあります。
口が開きがちになると唾液の自浄効果が下がり、
虫歯になり易いというリスクもあります。
開咬に関しては、幼少期である場合、
前歯が噛んでいなくても単に「これから前歯が伸びてくる」と
思いがちの噛み合わせで親御様が気付きにくい咬み合わせの一つです。

3)過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合は開口とは逆に咬み合わせが通常よりも深いタイプを指します。
上顎の前歯が下顎前歯に深くかぶさっていて、
中には下の歯が全く見えない状態まで咬みこんでいる場合もあります。
物を咬みきる際には下顎の前歯の先端と、
上顎前歯の歯茎部分を使うことになるため、
歯肉炎リスクにもつながってきます。

前回ご紹介した出っ歯や受け口なども食べ物を咬む機能に関して
難が生じる場合もありますが、
しっかりと食べ物を咀嚼する必要性を考えると
早めの矯正治療を考えていきたいものになります。

気になることがあれば横浜ひらの矯正歯科へ
お問い合わせいただければ幸いです。

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